最初の出店資金ってどのくらい必要なのか。そしてそれをどうやって集めればいいのか、など。

最初の出店資金ってどのくらい必要なのか。そしてそれをどうやって集めればいいのか、など。

レストランを始めようと思うと結構大きなお金が必要になる。

個人で初めてお店を開く時は特に資金調達が厳しい。

スケルトンから内装をするとなると、20坪程度の小さなお店でも開業資金は1千万円以上は必要だろう。
ちょっといい感じにしようと思うとあっという間に2千万円を超えてくる。
ちなみの僕のお店は26坪で14席しかないけどお店始めるのに5,000万円ほど用意した。
内、1千万円は保証金で内装工事に2,500万円、厨房設備に500万円、什器備品に200万円、残りの800万円ほどは運転資金に回した。
僕の場合は特殊なので参考にならないだろうけど、もし興味があれば、どうやって5千万円もの大金を集めたかはYouTubeを見ください。

初めてのレストラン開業の時、資金をどうやって集めたか【シェフの帰り道_25】

個人で初めてお店を持とうと思うとまずは資金調達という大きな壁にぶつかる。
初めての開業の場合、多くの場合は自己資金+銀行や国金などからの融資によって資金を用意することになるだろう。
僕の経験だと開業に必要な資金の3割くらいの自己資金がないと開業することすら厳しいし、もし銀行にお金を借りれたとしてもその後襲いかかってくる返済と利息の支払いで経営が圧迫されすぐに行き詰まってしまう場合が多い。
それでも無理くりお金をどこからか借りてお店をオープンする人が多いが根拠ある勝算がない限り無謀としか言えない。

そこでまずはお店始める時に必要な資金の内訳をざっくりと見てみよう。
大きく分けて物件の契約時に必要な費用、内外装工事費用、設備と什器備品の購入費用、運転資金の4つある。

1)物件の契約時に必要な費用というのは保証金、前払い家賃、不動産手数料などのこと。

保証金とは物件を借りる時に大家さんに預けておくお金で、まあ、敷金みたいなもの。
これは預け金なので退店する時に2~3割引かれて戻ってくるお金。
だから厳密には費用ではないのだけれど、預けたら解約するまで自由に使えないお金なので、ここは一旦費用として考えておく。

前払い家賃はその名の通り、普通家賃は前払いなので契約時に最初の1ヶ月分の家賃を払わなければならない。場合によっては2ヶ月分払えと言われる場合もある。

そして不動産手数料。
これは仲介手数料なので通常は家賃の1ヶ月分。大家さんと直接交渉できれば無くなる可能性もある費用だ。

2)内外装工事費用は、デザイナーにデザインを頼むとここに追加される。
大体の場合工事着工時に着手金とか手付金みたいな感じで工事見積もり額の一部を契約時に支払い残りは引き渡し後になる。

3)設備と什器備品の購入費用は、厨房設備だったり、食器や鍋や調理器具などの備品類を買うためお金。

4)最後は運転資金だけど、これはお店を運営し始めてから必要なお金で、仕入れのお金だったり人件費だったり、最初しばらくは赤字かもしれないので(普通は赤字です)、それをまかなうためのお金となる。
要は売上が立つ前に先に支払わないといけないお金とか、突発的に営業以外でお金が必要だった場合、それに赤字になった時それをまかなうためなどのお金。

とまあ、お店始めるのにこんなお金が必要なんだけど、これらのお金をどうやって調達するのかということで悩んでいる人は多いと思う。
もちろん、貯金がたんまりあればそれに越したことはない。
でも何千万円も現金持っててお店やる人ってほとんどいないよね。

だから、貯金(自己資金)プラス、足りない分は融資と言って銀行や国金から借金することになると思う。
でも、融資を受けるにしてもそれにはタイミングがあって、そこがなんとももどかしい。
銀行の融資って申し込みから審査通って入金まで2ヶ月近くかかるし、そもそも借入の最終条件はお店が完成して保健所や消防などの許認可を取ってからの入金となるからそれ以前に払わないといけないお金は自己資金を使うしかない。
例えば、お店を始める時に必要なお金の中の、1)物件を契約するときに必要なお金や、2)内外装工事にための着手金も契約時に最初に払うお金だから融資は間に合わない。

それで僕の経験上、お店出す時にかかるお金の3割は自己資金で現金持ってないと厳しいと思う。
この3割という数字は支払いのタイミングで現金が必要ということもあるけど、それより7割以上を借入に頼るとその後の経営を圧迫しかねないのでリスクがぐんと高まる。
返済や利息の支払いがあるからね。

融資以外にも出資という資金調達方法もある。
いわゆる投資家にお金出してもらって、配当という形で利益の一部を毎年支払うというやり方。
これは返済義務もないし、利息もない。利益が出たらその一部を払うだけなのだから金銭的なリスクは無い。
ただ、出資する方はその事業が儲かると思わ無いとお金出すわけないから、融資よりハードルが高いとも言える。
初めての出店だったらよほどの信用と事業の勝算の根拠が無いと難しいだろう。
そして、出資比率にもよるが乗っ取られてしまうという危険性も無きにしも非ずだ。
出資者とは、株式会社でいうところの株主なのだからその額(実際には割合)によっては逆らえなくなる。
もちろん、全額出資となるとそれはもう自分の店ではなく雇われているのとほぼ同じというパターンもあり得る。(いや、実際にはそうだ)

最後に大事なことがあった。
それは補助金と助成金。
これは行政が事業を支援しているものだから返さなくていいお金。
そう、もらえるお金。絶対に利用したほうがいいに決まってる。
開業時の補助金・助成金はいくつかあるはずだから調べてみるといい。
ちなみに僕は開業時に設備投資と銀行への利息に対する補助金をもらった。
そして人を雇ったのでキャリアアップの助成金ももらった。
合計で600万円くらいもらったかな。 地元福井にオープンしたお店LULL(ラル)では地方創生の補助金で2千万円もらった。 バカにならない金額でしょ。
そして今の時代クラウドファンディングなんていう方法もある。
LULLではこのクラファンにも挑戦して250万円調達した。

というわけで、出店の際に必要なお金は、まず自分の貯金(自己資金)と銀行などからの融資(もちろん個人からの借入もあり)、そして出資という、大きく3パターンあって、プラス補助金と助成金、さらにはクラウドファンディングというのもある。
それらを組み合わせるのが一般的だろう。
資金調達というのはこれらのパターンの混ぜ具合というかさじ加減がその後の経営に大きく影響してくる。

クラファンに代表されるように、これからも新しい資金調達のサービスが出てくるだろう。

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